第2ターム 〜 2つの民族性
人類の第2ターム8億年(地球が生まれて24億年)にさしかかる頃、地上は温暖効果が沸点に達し、ついに自然発火した炎が球面全体を被う。鎮火するまでの500年間はクランクシティーにも気温の影響が生じる。クランクシティーの人口の90%がローランドに集中し、また地底への移住者の増加に更なる拍車がかかる。とは言え世界の人口分布比は4割弱がクランクシティー(ローランド)、6割弱が地底、となっており、国土の広さを考えると人口密度の差は激しい。
また、経済格差も激しい。ローランドは全世界の民族が集まる合理的な社会を形成。対する地底は貧しくても精神性を重んじる世界を形成。しかし、現代のように豊かな国が貧しい国から搾取するようなことは起らなかった。ワールプール、メタンガス、地熱、太陽熱に加え、地表に発生した熱エネルギーによって、人は人海戦術で何かを生産したり、小さな子供を炭坑所で働かせたりする必要がなかった。
このような社会で、クランクシティー系民族も地底人系民族も、グローバルの良い点とローカリズムとを享受し合いながらうまくやっていた。
次に挙げる2者の特徴は、それぞれの根本的な民族性を言い当てている。ローランド人(ローランダー)はノコギリを押して切るが、地底人は引いて切る。ローランダーの「ヘイ」は呼びかけのコトバだが、地低人の「ヘイ」は受けのコトバ。ローランダーにとっての他者は見た目と同じく自分の外に在るものだが、地底人にとっての他者とは、見た目の状態と違い自分の内に在る(と考える)。
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