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2010年5月23日 (日)

第2ターム 〜 2つの民族性

人類の第2ターム8億年(地球が生まれて24億年)にさしかかる頃、地上は温暖効果が沸点に達し、ついに自然発火した炎が球面全体を被う。鎮火するまでの500年間はクランクシティーにも気温の影響が生じる。クランクシティーの人口の90%がローランドに集中し、また地底への移住者の増加に更なる拍車がかかる。とは言え世界の人口分布比は4割弱がクランクシティー(ローランド)、6割弱が地底、となっており、国土の広さを考えると人口密度の差は激しい。
 また、経済格差も激しい。ローランドは全世界の民族が集まる合理的な社会を形成。対する地底は貧しくても精神性を重んじる世界を形成。しかし、現代のように豊かな国が貧しい国から搾取するようなことは起らなかった。ワールプール、メタンガス、地熱、太陽熱に加え、地表に発生した熱エネルギーによって、人は人海戦術で何かを生産したり、小さな子供を炭坑所で働かせたりする必要がなかった。
 このような社会で、クランクシティー系民族も地底人系民族も、グローバルの良い点とローカリズムとを享受し合いながらうまくやっていた。
 次に挙げる2者の特徴は、それぞれの根本的な民族性を言い当てている。ローランド人(ローランダー)はノコギリを押して切るが、地底人は引いて切る。ローランダーの「ヘイ」は呼びかけのコトバだが、地低人の「ヘイ」は受けのコトバ。ローランダーにとっての他者は見た目と同じく自分の外に在るものだが、地底人にとっての他者とは、見た目の状態と違い自分の内に在る(と考える)。


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2010年5月 9日 (日)

第2ターム 〜 大航空時代

 現代(第5タームの2010年)の我々の知る大航海時代に比べ、第2タームの時代の大航空時代は平和的なものでした。というのも、大航海時代に港が必ずしも必要でなかったことに対して、大航空時代はまず空港が無いことには成立しなかったからです。そのため未開の地を「侵略」という形で開拓した大航海時代とは異なり、大航空時代は、まずはじめに空港建設認可を得る交渉を諸国と交わさねばならないため、平和的交渉をしながら進行したのです。
 
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第2ターム 〜 世界連邦

クランクシティーと地底世界との国交開通は、民間レベルで緩やかに成されていったが、第2ターム7億年〜8億年の間にクランクシティ←→地底世界の国際空港が完成した頃、「世界連邦」によって正式な国交開通の調印が結ばれる。世界連邦とは、クランクシティー、地底主脳国、脇侍[直線思想]民族(国家治安警察の立場)の三者がリーダー。三者会談の際、クランクシティーの呈示条件は[知(情報)]と[インターネット・インフラ]を挙げた。世界連邦は地底の領空統率権と通商統率権に加え、情報統率権を牛耳ることになる。クランクシティの世界図書館は、旧ローランドから更にクランクシティーの最下部に移動され、その上の空港の更に上に建設された巨大なハッチのような税関によって、クランクシティーと隔てられる。
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